小児科医局の紹介

診療グループ

アレルギー・免疫・リウマチ性疾患グループ

グループの紹介

アレルギー・免疫学・リウマチ学は、当科において以前から診療および研究に力を入れている分野の一つで、山口県から世界に向けて情報を発信しております。
当科で研修することにより、アレルギー専門医、臨床免疫認定医、小児リウマチ専門医の受験資格を得ることができます。
診療は脇口(チーフ)、岡﨑、および是永が担当しております。

皆様のご期待に添えるよう担当スタッフ一同、勤しんで参りますので、今後ともご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

食物アレルギー

食物経口負荷試験を積極的に実施しており、原因食物の同定や食事制限の解除の可否を決定し、過度な食事制限を行わないよう指導しております。
また、food protein-induced enterocolitis syndrome(FPIES)症例における適切な診断・治療、ならびに基礎・臨床研究を進めております。特にダウン症患者さんにおいて同疾患が重症化および遷延化する可能性を報告してきました(Wakiguchi H, et al. Pediatr Allergy Immunol. 2015; Okazaki F, et al. Nutrients. 2022.)。

気管支喘息

日常診療における小児気管支喘息治療・管理ガイドラインの活用と、吸入ステロイドやロイコトリエン受容体拮抗薬などの普及とにより、重症発作あるいは死亡に至る症例は減少し、入院する患者は近年減少しております。しかし、まだ重症喘息の患者さんはおられ、重症心身障碍児(者)などの基礎疾患をお持ちの患者さんにおいては、ウイルス感染などに伴う重症発作がみられており、当科では肺機能検査などを行いながら、注意深く治療・管理をしております。また、現在は大学院生が中心となり気管支喘息とウイルス感染症との関係について研究を進めております(Hasegawa S, et al. Pediatr Allergy Immunol. 2011; Okada S, et al. Cytokine. 2013; Hasegawa S, et al. Cytokine. 2014; Fujimoto Y, et al. Sci Rep. 2017; Abe N, et al. Pediatr Allergy Immunol. 2019; Ariyoshi T, et al. Immun Inflamm Dis. 2021; Kimura S, et al. Pathol Int. 2022.)

アレルギー性鼻炎

ダニアレルギー性鼻炎またはスギ花粉症患者さんに対し、舌下免疫療法を行っております。お気軽にご相談ください。

免疫不全症

X連鎖無ガンマグロブリン血症や重症複合免疫不全症などの原発性免疫不全症候群の患者さんの診療を行っております。当科ではフローサイトメトリーを用いた補助診断を行い、全国の専門施設と協力することでより細やかな診断・治療を提供しております。

リウマチ性疾患(膠原病)

若年性特発性関節炎、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、皮膚筋炎、強皮症、混合性結合組織病などの小児リウマチ性疾患(膠原病)診療・研究も行っております(Wakiguchi H, et al. Pediatr Rheumatol. 2015; Wakiguchi H, et al. Eur J Dermatol. 2016; Wakiguchi H, et al. Clin Rheumatol. 2017; Wakiguchi H, et al. Immunol Med. 2018; Iida Y, et al. Clin Rheumatol. 2019; Shimizu M, et al. Pediatr Rheumatol. 2020; Korenaga Y, et al. J Clin Rheumatol. 2021; Okazaki F, et al. Pediatr Rheumatol. 2021; Furusawa A, et al. Int J Rheum Dis. 2022; Fujiwara M, et al. Int J Rheum Dis. 2022.)。

当科には、山口県で唯一(全国でも数少ない)、小児リウマチ専門医・指導医が在籍しております。フローサイトメトリーやELISAなどを用いてリアルタイムに病態を把握しながら適切な治療の選択に努めております。いずれの疾患においても医学的根拠に基づき、患者さんに最適な医療を提供することを心がけております。

また、先進的な治療経験も豊富であり、若年性特発性関節炎患者さんに対しては、トシリズマブ、カナキヌマブ、エタネルセプト、アダリムマブ、アバタセプトにより、全身性エリテマトーデス患者さんに対しては、ベリムマブなどの新しい薬(生物学的製剤)により、良好な効果が得られております。

消化器疾患グループ

グループの紹介

小児科において「おなか」に関わる疾患を専門とするのが小児消化器科医です。腹痛などの「おなか」に関わる症状で受診されるお子さんは非常に多いにもかかわらず、我が国では小児消化器科医が非常に少ないです。当科では小児消化器科医が日々の診療にあたっています。

対象とする疾患について

クローン病、潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患、慢性便秘症、機能性消化管障害、腸重積症、便秘症などの消化管が関わる疾患、乳児胆汁うっ滞性疾患などの肝臓、胆嚢が関わる疾患、膵炎など膵臓が関わる疾患、および肥満や体重が増えないなど栄養が関わる疾患を対象としています。

検査について

当科では腹部超音波検査を積極的に活用しており、全国的に見ても高い技術を持っています。他にもインピーダンス法を用いた24時間pHモニタリング検査、消化管造影検査、消化管内視鏡検査などを実施しています。他の小児科のグループ、小児外科、消化器内科の先生とも連携を取りつつ必要な検査は実施しています。

研究について

乳児胆汁うっ滞性疾患の長期フォローアップのため全国研究であるCIRCLeに参加しています。またグループ独自の研究として、超音波検査の有用性、機能性消化管疾患、肥満などの栄養に関わる計画を進めています。

血液・腫瘍疾患グループ

グループの紹介

~すべてのこどもたちの笑顔のために~

血液・腫瘍疾患グループは、「すべてのこどもたちの笑顔のために」を合い言葉に、白血病、悪性リンパ腫、脳腫瘍、腹部腫瘍、骨軟部腫瘍などの腫瘍性疾患と貧血、血小板減少、血友病などの血液疾患の診療を行っています。
造血幹細胞移植やCAR-T療法などが必要な場合は広島大学や九州大学と連携して診療しています。白血病や悪性リンパ腫、固形腫瘍などの小児がんについては、日本小児がん研究グループの多施設共同研究に参加し、標準的な治療法に加えて新しい臨床試験への参加を提供できる体制を整えています。

当科は小児血液・がん指導医ならびに専門医が在籍し、小児血液・がん専門医を取得するための研修施設に認定されています。

研究について

小児の白血病・悪性リンパ腫に対する臨床研究および遺伝子研究を中心とした基礎研究を行い、新規治療法の開発、病態解明や治療抵抗性の機序解明に取り組んでいます。小児の血液腫瘍疾患に対する標準的な治療法に加えて、さまざまな臨床研究を行いながら、常に最善の医療を提供できるよう日々努めています。特に、悪性リンパ腫のサブタイプである未分化大細胞リンパ腫に対する研究に力を入れており、これまでに分子標的薬を用いて新しい標準治療法を確立しました (令和3年度山口医学会小西賞、Cancer Sci. 2020;111:4540-4547)。また、再発・難治性の未分化大細胞リンパ腫に対して、当科が研究代表施設として多施設共同研究を実施し、新しい治療法を開発する臨床試験に現在取り組んでいます(臨床研究実施計画番号:jRCTs041190066)。
この他に取り組んでいる主な研究として、未分化大細胞リンパ腫の予後予測因子の解明(R3トランスレーショナルリサーチ推進助成、未分化大細胞リンパ腫の治療抵抗性に関わる機序の解明(R4科研費 基盤C)、未分化大細胞リンパ腫の腫瘍播種メカニズムの解明(R4ニュー・フロンティア・プロジェクト)、小児白血病におけるNUDT15遺伝子多型の解析法の開発(R4科研費 若手研究)などがあります。

長期的フォローアップについて

近年、小児がん治療終了後の晩期合併症が大きな問題として認識されています。山口大学小児科では治療後に成人を迎えられた方のフォローアップやサポートも行い、全人的医療の提供を目指しています。

循環器疾患グループ

グループの紹介

循環器疾患グループのモットーは先代の意志を引き継ぎ、『文武両道』。臨床・研究ともにチームで仕事することを心がけています。
山口大学医学部附属病院は小児循環器学会修練施設に認定されています。

診療について

先天性心疾患、川崎病、心筋炎、心筋症、不整脈疾患などの小児心血管疾患を幅広く診療しています。
心臓カテーテルは検査だけでなく肺動脈弁バルーン形成術や動脈管コイル塞栓術などの治療も行っております。

「弁性肺動脈狭窄症に対するバルーン肺動脈弁形成術」
https://www.youtube.com/watch?v=7vPgypV6WoU
「動脈管開存症に対するコイル塞栓術」
https://www.youtube.com/watch?v=9AqJ5u7dUfc

研究について

川崎病をメインテーマとした研究を行なっています。
これまでに疫学調査(World J Pediatr. 2022;18:781-5)、冠動脈病変発症予測バイオマーカー探索(Inflammation. 2023;46:480-90、Front Pediatr. 2020;8:148)、乳児インフリキシマブ使用例の臨床学的特徴(Pediatr Infect Dis J. 2022;41:e388-92、Pediatr Infect Dis J 2020;39:e219)、フローサイトメトリー法を用いた免疫担当細胞解析(World J Pediatr. 2021;17:671-3)などの報告を行ってきました(PubMed https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/?term=seigo+okada&sort=date&size=100 )。基礎研究としては液体クロマトグラフィーを用いた冠動脈病変誘発物質の探索(R3科研費 若手研究)、ヒト冠動脈細胞を用いた冠動脈病変発症機序の解明(R3科研費 若手研究)、機械学習を用いた川崎病個別化医療システムの開発(R4 AMED難治性疾患実用化研究事業)などの課題に取り組んでいます。

神経疾患グループ

グループの紹介

小児神経学分野は、脳、神経系、運動器等の発達や機能障害を対象とし、こどもの心と体に寄り添うことを目標としています。小児期はダイナミックに発達する時期で、同じ神経疾患でも年齢によって全く症状が異なることがあります。また、同じ症状でも原因となり得る神経疾患が何十(場合によっては何百)もあることがあります。専門的な知識と経験が求められる分野です。

現在、当院の小児神経グループには常勤医師3名、非常勤医師2名が所属しています。このうち、小児神経専門医は3名(常勤2名、非常勤1名)です。また、てんかん専門医も3名おり、山口大学てんかんセンターで中心的な役割を担っています。

今後も患者様とご家族へのよりよい診療・支援の提供のために、県内の小児科関連施設、他科や療育機関、リハビリ施設などとも密な連携を行っていきたいと考えております。

外来診療に関して

診療対象疾患としてはてんかん、脳性麻痺、末梢神経・筋疾患、代謝・変性疾患など多岐にわたります。また、近年は発達障碍の紹介が増加しています。心理外来では臨床心理士が知能検査、カウンセリングなど行っております。

入院診療に関して

入院診療部門は、集中治療が必要な急性脳炎・脳症などの急性神経疾患、難治てんかんなどの慢性疾患の治療、および各種神経疾患の精査を中心に診療しています。脳脊髄液検査、画像検査、電気生理検査などを元に、総合的に評価を行い、適切な治療となるよう努めています。また、近年は、神経筋疾患の治療が目覚ましい進歩を遂げ、特に一部の筋ジストロフィーや脊髄性筋萎縮症の治療を行っており、効果を実感しています。

教育に関して

山口大学は小児神経専門医研修認定施設、てんかん専門医研修認定施設であり、専門医の育成を行っております。最近は、県内複数の施設の若手医師を中心にWebカンファレンスを定期的に行い、診療サポート、症例検討、画像・脳波読影トレーニングなどを行っています。

研究に関して

以前より、急性脳炎・脳症、亜急性硬化性全脳炎(厚生労働科学研究委託事業)、難治性てんかんにおける神経組織由来蛋白や炎症関連蛋白を用いた病態解析、バイオマーカー研究を行ってきました。最近、本邦小児に多い二相性脳症に対する低体温療法の有用性を報告しました(Brain Dev, 2020)。また、急性弛緩性脊髄炎の病態解明研究(基盤研究C)、医療的ケア児の腸内細菌叢研究(基盤研究C)にも着手しています。

腎・泌尿器疾患グループ

グループの紹介

腎臓疾患が発見されるきっかけは様々です。
胎児期の超音波検査で指摘された、学校検尿で異常を指摘された、尿が赤いのに気付いた、むくんだなど様々なきっかけがありますが、そのような気付きに対して、患児一人ひとりに早期から適切に対応できるよう努めています。

治療は、最新最良の医学知見に基づいた標準的医療を基本とし、先進的治療にも対応できるよう日々研鑽を積んでいます。また、透析、移植、腎臓内科への移行(transition)など、他科・施設と多くの場面で連携して診療を行っています。

対応疾患について

当グループは小児腎臓領域の疾患全般を対象にしております。

・腎炎・ネフローゼ症候群(IgA腎症、紫斑病性腎炎、ループス腎炎、微小変化群、巣状糸球体硬化症、膜性増殖性糸球体腎炎、膜性腎症、C1q腎症、溶連菌感染後急性糸球体腎炎など)

・尿路感染症(急性腎盂腎炎、急性巣状細菌性腎炎など)

・先天性腎尿路奇形(膀胱尿管逆流、水腎症、重複腎盂尿管、尿管瘤、馬蹄腎など)

・先天性疾患(シスチン尿症、アルポート症候群、低形成腎、異形成腎、常染色体優性多発性嚢胞腎、常染色体劣性多発性嚢胞腎、多嚢胞性異形成腎など)

・その他、溶血性尿毒症症候群(非典型、腸管出血性大腸菌による)、ファンコニー症候群、尿細管性アシドーシス、薬剤性腎障害、尿路結石、急性・慢性腎不全、夜尿症、遺尿症など

検査・治療・連携について

腎生検

診断・治療方針決定や治療効果を判定する目的で実施しています(年間20~30件)。 年少児には、より安全にかつ児の不安を軽減する目的で、平成28年から麻酔科の協力のもと全身麻酔下で実施しています。

血液浄化療法・透析など

急性期の持続血液透析濾過法、血漿交換療法など、主に集中治療室にて行っています。

また末期腎不全の保存的治療、腹膜透析導入・管理も行っています。

小児泌尿器科専門医

先天性腎尿路奇形(膀胱尿管逆流、水腎症など)は、当院小児泌尿器科専門医と連携して治療にあたっています。

病棟保育士、院内学級

長期入院を要する腎疾患児も多く、精神的・社会的サポートが重要です。当院では、病棟保育士2名が専門性をもって児をあたたかく見守ってくれます。また一定期間以上の入院が必要な場合、院内学級への転入も可能です。

研究

「尿路感染症の病態解明」 尿路感染症は高頻度にみられる病態で、重症の場合、腎障害を来します。

当グループは、感染様式の違い(急性腎盂腎炎あるいは急性巣状細菌性腎炎)で腎へ及ぼす影響が異なる可能性を考え、特にサイトカインを用いて病態解明を行っています。これまでに、急性巣状細菌性腎炎では、急性腎盂腎炎に比べてインターフェロンγを含めた血清サイトカイン濃度が高値となることを見出し報告しました。さらに、急性巣状細菌性腎炎で高サイトカイン血症を来す機序を解明し、治療法を確立すべく研究を行っています。

内分泌・代謝疾患グループ

グループの紹介

山口大学小児科の内分泌・代謝疾患グループは、福田が担当しています。済生会下関総合病院、山口県立総合医療センター、徳山中央病院の専門外来にも出向し、以下にお示しする内分泌・代謝疾患の診療をしています。

対象疾患について

成長障害

小児の内分泌分野の特徴は成長障害です。低身長、成長率の異常があります。その原因は成長ホルモンの分泌異常以外も多岐にわたり亜鉛不足や栄養障害、GH遺伝子の異常などの先天的な異常、下垂体構造の異常などがあります。成長曲線が学校検診で使用されるようになり紹介患者数は近年増加して来ています。SGA性低身長は出生時に在胎週数に比して低身長、低体重の児で3歳の時点で成長の改善がない児を対象として成長ホルモンによる治療を行います。

1型糖尿病

20歳までの1型糖尿病の患者は山口県内に100名程度いらっしゃり、年3-4人が新規に発症しています。そのほとんどが内科も含め山口大学の関連の医師による治療を受けています。山口県には山口会という患者家族会があり、その活動を当院の第3内科、栄養治療部、看護師、山口県立大学の学生サークル、大山キャンプのスタッフの方々と連携して行っています。年間スケジュールは3月に日帰り交流会、6月に講演会、10月に大田原自然の家でキャンプを行います。この準備のために毎月1回のミーティング、夏休みにはスタッフでプレキャンプを行います。県立大学の学生の方との勉強会もあります。当科での取り組みとしては栄養治療部に協力してもらい県内の糖尿病患者のカーボカウント導入を行っています。また中学生、高校生の患者を対象とした糖尿病合併症の検査入院も行っています。

肥満症

近年、食事の多様化などもあり、肥満症によるメタボリックシンドロームが急増しております。またそのことにより2型糖尿病も増加しており、中学生では1型糖尿病と2型糖尿病の発症率が変わらないほど増加しております。治療として運動、栄養療法を中心とした治療を行い、また症例によって薬物療法などを行っています。

甲状腺疾患

新生児領域の先天性甲状腺機能低下症、学童期のバセドウ病、慢性甲状腺炎が中心です。外来では2011年以降、福島県から避難されて来た児の甲状腺エコー調査も行っています。

副腎疾患

先天性副腎過形成症候群、先天性副腎低形成症候群、副腎腫瘍後のステロイド補充治療をおこないます。

先天性代謝異常

新生児マススクリーニングで疑われた患者を中心に診療しています。高アンモニア血症に対して安息香酸静注、腹膜透析による治療が可能です。

研究について

  1. 2018年4月より小児インスリン研究会(多施設共同研究 第5コホート)に参加することになりました。同時に、当科独自の調査研究も行っていく予定です。山口県の特徴として県内の患者の把握が可能であるということと、当科の特色を生かし1型糖尿病患者のサイトカインとホルモンのクロストークをテーマとした研究を行っていきたいと考えています。
  2. 閉塞性睡眠時無呼吸症候群での扁桃切除術後の身長、体重の変動に関して調査研究を行っています。

新生児疾患グループ

グループの紹介

新生児疾患グループは病棟管理の高橋、新生児を専門とする藤本、松隈、兼安、濱野、時髙、小児循環器を専門とする岡田、小児消化器・栄養を専門とする坂田でチームを組んでいます。総合周産期母子医療センター(NICU・GCU)は産婦人科医師、小児科病棟医師、その他の診療科医師、看護スタッフ、薬剤部、ME管理センターと協力し、万全の体制を維持しています。

少子化が問題となっておりますが、新生児期に医療を必要とするお子さんの数は減少傾向にはありません。あらゆる新生児の疾患にお応えできるようスタッフ一同日々精進しております。

我々とともに山口県の新生児医療を支えていただけるスタッフも随時募集しておりますので、ご希望がございましたら、下記までご連絡いただけますと幸いです。

総合周産期母子医療センター NICU・GCU病棟医長
高橋:p-sama@yamaguchi-u.ac.jp

診療の紹介

当センターNICUでは、超低出生体重児や超早産児に対する急性期医療、重症呼吸障害に対する一酸化窒素吸入療法、血液濾過透析、虚血性低酸素性脳症に対する脳低体温療法などの高度な新生児医療を提供しています。また、GCUでは、NICUで急性期治療を終え、退院に向けた体重増加などのフォローを行うお子さん、一般の開業産科医院で出生し呼吸管理や感染症の治療などが必要な正期産新生児、あるいは新生児搬送において比較的リスクが少ないLate pretermのお子さんになどに対する医療を提供しています。

医療の進歩に伴い、我が国の新生児医療における新生児死亡率の低さは世界一です。当施設においても、新生児ドクターカー「すくすく号」が配備され、これまでより安全に新生児搬送ができるようになりました。ただ救命を目指すだけでなく、退院後の生活に少しでも多くの幸せが感じて頂けるよう、一人ひとりの患者さんに応じた医療が提供できるよう心掛けています。

  • ハイリスク新生児の処置
    ハイリスク新生児の処置
  • ハイリスク新生児の処置
  • 新生児ドクターカー(すくすく号)による新生児搬送
  • ドクターヘリによる新生児搬送
  • ドクターヘリによる新生児搬送

新生児フォローアップ外来

新生児フォローアップ外来では、主にNICUまたはGCUを退院したお子さんのフォローをしております。大学病院の特徴を生かして、さまざまな診療科の協力のもとで、外来フォローをしています。在胎週数32週未満、あるいは出生体重1,500g未満で出生したお子さんにおいては、3歳で新版K式、6歳と9歳でWISC-Ⅳを行い、発達の評価をしています。発達検査は臨床心理士である國廣が担当しています。

研究に関して

新生児グループでは、診療と並行しながら研究活動も行っております。新生児仮死、羊水腔内での胎児のサイトカイン暴露などをテーマに、新生児の予後改善を目指した研究をしています。これらの研究が新生児グループのますますの推進力になり、最終的には患者さんの予後改善に貢献できればと考えております。